戸隠そば「ぼっち盛り」の考え方1
戸隠そば「ぼっち盛り」の考え方1
戸隠そばは、上質な霧下そばのそば粉と
戸隠山からの清き水を使い打ち上げられた、
香り高いおそばを戸隠の根曲り竹のざるに
盛られたおそばですが、
そのおそばの盛り方が特徴的です。
「ぼっち盛り」と名付けられた
この盛り方には諸説いわれがあります。
戸隠では基本的に1人前を五ぼっちとしていますが、
この「五」という数字は、戸隠神社が五社あることに由来し、
ざるの上で五つの神社を表しているという説があります。
大盛りざるそばを七ぼっちにしていることも
五社とさらに五斉神社・宣澄社を含め、
七つを表していると言われています。
神々への奉納の思いを込めて、
この魂のような形をしていると言われています。
またこの「ぼっち」という名前にも意味があり、
「ぼっち」を漢字で書くと「法師(または坊主)」と書きます。
これは山に入り、一人で籠り修行をした
お坊さん「独り法師」に由来しており、
修験の山としても有名だった戸隠では、
多くの法師が修行に来て、
そのときに食べていたのがそばであったことに
由来しているものではないかと考えられています。
一人ぼっちという言葉もこの一人で修行する
お坊さんからできた言葉のようです。
ジブリ映画「もののけ姫」にも出てくる
森や川・国を造ったとされる神様・ダイダラボッチのように、
「ぼっち」には神様という意味も含まれているとすれば、
戸隠神社五社(または七社)の
【神様を盛られているおそば】と
言えるのではないでしょうか。
神仏習合、神仏分離という時代を過ごしてきた
戸隠神社信仰の神々と戸隠の人々の食という
身近なものを密接に関係させた想いが
詰まったおそばなのです。
こんな考え方も、
また戸隠のロマンを掻き立て、
とてもおもしろいものだと思います。
2011-07-11 23:45:00
山口屋日記
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